暑くて鳥撮りができないので読んでいる本を紹介します。
'僕には鳥の言葉がわかる' 鈴木俊樹 著
鳥爺は、鳥の爺さんですが、鳥の言葉はわかりません。
子供のころは田舎暮らしで、家の廻りには、スズメやカワラヒワ、キジバトが、春はヒバリ、夏はオオヨシキリが身近にいて、その鳴き声を聞いて過ごしました。その頃は、野鳥が会話しているとの発想はありませんでした。(残念ながら子供のころは、庄内地方の実家の廻りではシジュウカラを見たことはありません。だぶんいなかったと思います。今は沢山います。)
退職してカメラを持ち鳥爺になって、近くの公園やら動植物園に出かけるようになり、秋・冬に野鳥の混群を見るようになりました。
シジュウカラ、メジロ、エナガ、コゲラ、ヤマガラの混群を見て、なんでいろいろな野鳥が一緒になって公園を移動するのか。個々の野鳥がいろいろな鳴き声を発しているのは聞き慣れた場面ですが、会話しているとの発想はありませんでした。
この著者、東京大学准教授の鈴木さんは、それを見て聞いて、それを研究題材にしてシジュウカラ達が会話しているのではと発想し、野外活動を通じてそれをデータ化し、それを突き止め、論文にして発表し【動物言語学】という世界で初めての分野を切り開きました。
その過程を本にしたものです。素晴らしいの一言です。
シジュウカラは公園ではあまり注目しない小鳥です。どこにでも普通にいます。スズメとおなじように、どこにでもいるので撮影の対象になっていません。それに着目して研究対象にする発想はすごいですね。活動の内容を、普通の出来事として簡単に書いてありますが、地道で気長な研究に脱帽です。NHKでも放送されたのを一度見たことがある気がします。
今後は、シジュウカラの鳴き声と行動、他の小鳥の鳴き声と行動にも注意を払い鳥撮りをしたいと思います。
*2017年3月28日撮影
尚、本は読みやすく、数日あれば読み終われます。
バードウォッチングを趣味にしている人には少し内容が物足りないかもしれません。
身近な野鳥達も会話しているかもと興味を持たせる内容が少しあった方が、バードウォッチングしている人にとっては趣味の世界の視点を少し広げるきっかけになるのではないかと思えます。(事実を捉える学者にとっては、証明できない事は書けないのかもしれませんが?)
鳥を見るのが好きな人は是非読んでみてください。
*2016年5月7日撮影
鳥爺